エッセイ教室に通ってみた
約20年前、某カルチャーセンターのエッセイ教室に通っていました。
このころ、何かを習いたい気分が高まっていたからなんですが、お金がなかったので手軽なとこでなんかないかな〜と探してて見つけました。
半年間で月イチ、計6回です。
会費は2万円弱くらいだったかな。
安いのは良かったんですが、まあ安いなりのあれやこれやがありましたので記録いたします。
太宰じいさん
エッセイだっつーのに、太宰治のことをノンフィクション風に全6回の続きもので書いてきたじいさんがいました。
初めの2回くらいは先生にやんわり、エッセイとは違いますね、と言われていたけど、そんなことは全く意に介さず書き続けてきて、全6回シリーズを見事に完結させていました。
教室では、自分で書いてきたものをみんなの前で読まないといけなかったんですが、クライマックスの入水自殺んとこは自分で涙ぐみながら読み上げていて、あまりの太宰愛にさすがのワタシもちょびっとだけ感動しました。(違う意味で)
小説家志望の30代無職男性
初回で「私は小説家をめざしていて、毎日家で小説を書いています!」と、自信満々に自己紹介したものの、ぜったい小説家になれそうにない超絶つまんない文章を書いてくる無職男性もいました。
まず、小説家志望の人が街のエッセイ教室に通う時点でいかがなものか…
エッセイというか、さっむいフィクションを混ぜたコラムめいたものを毎回書いてきて、「オレはお前たちとは違う文章を書くんだぜ」アピールがすんごくてキツかったです。
生徒のほとんどがおばさんかおばあさんだったので、みなさん温かい目で見てあげていました。
子供がいないことを強調するおばさん
毎回、「私は子供がいないので…」と何かにつけて強調してくるおばさんもいました。
エッセイ教室に通う中高年女性は、どうしても書く内容が自分の子供や孫の話になりがちです。
誰かが楽しげな子供や孫のエッセイを書いてきて、それを読み上げて感想をみんなでいい合う時には、いつも「私には子供がいないので羨ましいです…」「いいですね…」とつぶやく感じだったので、書いてきた人たちも「あ…しまった…」と気まずそうな顔をしていました。
ずいぶん肩身の狭い思いをしてきたんでしょうか。彼女も、今の「子供がいてもいなくてもいい人生」みたいな時代を過ごしてきたらよかったのになあ、と思います。
本を買わされた
最後は自分の自信作を2つ提出して、全員の分をまとめた本を作っていました。
造本してもらったというか。
それを全員買わなくちゃいけない、っつーので、
マジかよ…いらんわそんなもん…
って思いましたが、しょうがなく1冊だけ買おうとしたら、最低5冊は買ってくれないとダメだって言われました。
1冊¥500です。
ゴミ本5冊を買うのに¥2500払わされたワタクシの無念さ、わかっていただけますでしょうか…
自分のとこだけザックリ読んで、すぐにヒモでしばって捨てました。
こんないいネタになるんだったら取っておけばよかったです..断捨離失敗~
毎回飲み会があった
毎回、2時間のエッセイ教室が終わるとみんなで「じゃあ行きますか?」と言って居酒屋に行っていました。
ちなみにワタシは別にコミュニケーションが目当てで通っていたわけではないので、なんやかんや言い訳して毎回断っていたんですが、最終日だけ仕方なく参加しました。
そうしたら、おばさんたちがよってたかってワタシと小説家志望男性をくっつけようとしてきたんですわ…
地獄…
当時、結婚したばっかりだったんで「えっ。いや…結婚してるんすけど…」って言っても「あらー別にいいじゃないー?この人の方がいいわよお」とか酔っぱらって言ってきてもう最悪でした。じゃあおまえがくっつけや!たち悪すぎっ!!
おまけに小説家志望ヤローも、まんざらでもない顔して「ははは。いやあ嬉しいなあ〜」なんて言いながらカッコつけて水割り呑んでるし!
もう絶対行かない
街のカルチャー教室(文筆系)は、暇な中高年が集う場所であって、真面目になにかを学ぼうとする所じゃない、ということを知りました。
いや、たまたまだったと思いたいっすけどね!
さっき、HP見たらこの教室がまだ存在していて先生も同じでした。
載っている写真には、当時よりお歳を召した先生とじいさんばあさん生徒が映っていました。さすがに当時の生徒じゃないと思うけど。
あっ、そういえば、この教室でちゃんと学んだことがあったわ…!
先生曰く「泉沢さんはまあまあ上手だけど、体言止めがちょっと多いですね」
今後も気をつけますっ!体言止め。
そういや歳とったら体言止め使わなくなったな〜