転んでもただでは起きない日常

アラフィフフリーランスの読んで楽しい漫文ブログ 〜エンタメ・日常・アラフィフあるある〜

自分の子供より散乱したポテトフライが気になる親を見た話

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女の子がポテトを拾っていた

昨日、会社帰りに近所のスーパーに買い出しに向かった時の話です。

 

下り坂の途中で、中年夫婦らしき男女がそれぞれ自転車に乗ったまま停めて、後ろを振り返っていました。眉間にシワを寄せて…

 

???と思い、坂の下の方を見ると、小学3年生くらいの女の子が自転車を倒していて、その前カゴに入っていたポテトフライが周囲に散乱していたのです。

 

女の子は一心不乱に、散乱したポテトフライを拾ってカゴに入ったままの紙袋に集めていました。


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ワタシはびっくりして、たたたたっと近寄り、

「大丈夫〜?」と声をかけて、倒れた自転車を持ち上げ、スタンドを立ててあげました。

女の子はうつむいたまま黙ってポテトを拾っています。

 

この一連の行いをしている最中に、やっと彼女の父親がやってきて、まずポテトを一緒に拾い始めました。無言で。

「・・・」

「・・・」

うつむきながら無言でポテトを拾い続ける父娘。

そんなにポテトが大切なのでしょうか…

道に散乱したんだからもう食べれないと思うんだけど…

なんだかヘンテコな人たちだな、と思っていたら、

 

「ほぅらあああああ!!

だっからちゃんとっ袋にしまっとけって言っただろぉおおおおお!」

 

チャカを隠し忘れた下っ端に怒鳴る○クザの中堅さながらのセリフを吐きながら、

やっとお母ちゃんが登場しました。

 

そして、ものすごい剣幕のまま一緒にポテトを拾い始めたのです。


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ワタシは呆気にとられながらこのポテト拾いファミリーを見下ろしていたんですが、いかにも「邪魔だよ、アンタ」とでも言いたげにお母ちゃんがこちらを気にしていたので立ち去ろうとすると、ちらりとも見ずにボソッと小声で「スミマセンでしたっ」と言ってくれました。

 

 

嬉しかった・・・・・

わきゃないだろッ!!!

 

 

ワタシはポテトフライのことなんぞどうでもよくてですね、この女の子が怪我してないかのほうが気にかかっていたのですわ!

そりゃそうでしょ!

 

つーか、普通の親は散乱したポテトフライやよその人のことより、自分の子供のことが一番心配なんじゃないの?

なぜこの両親は一言も自分の娘に「大丈夫だった?痛くない?」と言わないんでしょうか?

赤の他人のワタシの方が心配するってどういうことなのよ。

 

貧すれば鈍する?

「貧すれば鈍する」といいますが、この両親の姿はお世辞にもちゃんとしてるとは言い難く、ボサボサ頭に薄汚れた服、裸足に汚いサンダル(12月だぞ…)で、街でよく見る、身なりがきちんとしたカジュアルテイストの両親とはかけ離れていました。

 

ワタシが小学生の時に友達だった明子ちゃんの両親みたいな格好なのです。

 

明子ちゃんの家はオンボロの長屋で、お父さんは病弱でいつも家で寝ていて、お母さんは働いていたけど要領が悪くてすぐにクビになるような人でしたから、常に貧乏で、明子ちゃんが着る服はなんとか体裁を整えてあげていましたが、両親はいつも薄汚れた服を着ていました。

 

昨日の家族を見ていて、ふと明子ちゃんのことを思い出しましたが、明子ちゃんの両親はこの、身も心も薄汚れた両親とはまったく違っていて、すごく明子ちゃん想いのいい人たちでしたわ!

だから、明子ちゃんも貧乏であんまり成績は良くなかったけど、とても優しくて明るい女の子だったのです。

ワタシも大好きでした。

 

貧すれば鈍する、とは、確かにそういう人たちもいるにはいるけど、みんながみんなそうではないのです。

 

それにしても、昨日の女の子が早くこの両親から離れて健やかに育っていってほしいと心から思います。

ずーっと無表情なのが気になっちゃって、ずっとあの子のことを考えてしまっています。

 

できればさあ〜、こういう子供たちにいろいろと教えてあげたいのよ〜!

楽しいことをたくさ〜ん!!

人生、親じゃなくて自分次第で楽しくなるんだよ〜って。

 

 

なんとかできないもんかなあ…