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【イーストウッド】「運び屋」を観て歳のとり方を考えた【感想】

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男は金と自由を求め、女は男に家族としてそばにいて欲しい

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丸の内ピカデリー1にて、88歳のクリント・イーストウッドが監督と主演を務めた「運び屋」を観てきました。

イーストウッド監督作品って何げに結構観ていて、最近の作品はどれもいい意味でも悪い意味でも「ノンフィクションを原作にしたジワッとくる佳作」って感じなんで今回もそんな映画かな?と思っていましたが、それを上回るいい作品でした!

ワタシ的イーストウッド監督作品ベストでもある「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」に続く、自身が主演を務めた監督作品ということで最近の佳作傾向作品よりも本気度が高いように感じました。

 

退役軍人で園芸農家を営む主人公アール。彼は仕事大好き、成果をあげて褒められるのが大好き、自由に生きて家族のことを顧みない保守的な人間。

やがて農場が破産してしまい、行き場がなくなった彼は孫娘(唯一の理解者)の婚約パーティーに恐る恐る顔を出すんですが、娘や奥さんに「今さらよくノコノコと顔出せるね!」と邪険にされて帰ろうとした所、パーティー参加者の若者に声をかけられ…。

車を運転するだけの高収入セカンドライフ

まあ、ヤバいブツを密売する組織の運び屋さんとして超高収入の仕事をすることになるんですが、なんせ「違反なし犯罪歴なしの90歳の白人おじいちゃん」ですから、警察も向こうのいわゆる麻取も全くのノーマークw

車を運転するのが大好きなアールは、運転する時にはいっつも好きなBGMをかけて楽しくいっしょに歌っています。このへん、ヤバいものを運んでるっていう緊張感がぜんぜんなし!

メキシコ系のいかつい若者達にも、生来の暢気な態度で接するのでなんとなく上手くいくし、道中のエピソードなんかにも、アールの経験値の高さや度胸の大きさが表れていました。

特に、自分が原因で仲間同士がけんかしているのを目の前にして、平然と唇にリップクリームをヌリヌリしているシーンが最高でした!

さらに「心臓が止まっちゃうぜ〜」とか言いながら女性2人を相手にしちゃうシーンもあるし、老人臭なんていっさいなし!

イーストウッドそのものを見てるのか映画の役を見てるのかわかんなくなってきます。現役感がハンパないよ…。

 

最初は、とまどいながらも言われた通りに車を運転するアールでしたが、ものすごく簡単に大金が手に入っちゃったんで、もうやめられなくなってしまいます。

そりゃそうです。手に入った大金で農場を買い戻したり、友人の店を再建してあげて街のみんなから感謝されたり、家族とも会いやすくなったり、もういいことづくめ! 

お金は本当に大切!お金サイコーーー!

最後は命の危険より家族との時間をとった主人公

とは言っても、激ヤバブラックな仕事ですから何度か危なっかしい目にも遭います。

麻取の人達(ブラッドリー・クーパー←いい味出してたとローレンス・フィッシュバーン←モーフィアス!)が、内部スパイを使って組織を追いつめていくシーンが同時進行するので「アール、捕まらないで〜!」ってドキドキ。

その上、アールを気に入ってくれていた組織のトップ(デブってしまったアンディ・ガルシアだよ〜)が✕✕されてなんだか一層ヤバい雰囲気に!

この八方塞がりの雰囲気の中、アールは自分の命の危険よりも家族との時間をとります。

最後の方はおじいちゃんのアールが心配になってハラハラしますが、とても清々しいラストなので安心して観てください!

歳のとり方を考えた

この映画を観ながら、「健康と度胸と人生を楽しむようにする心」があれば老人になっても無敵なんだなあ、と思いましたね。

主人公は常に姿勢もよくてシャッキリ!多少は疲れやすいけど「ワシはもう疲れたからやらん!」とか絶対言わないんですよ。

あと、「インターネットは嫌いだ」とか言いながらもスマホでメールを打てるように練習したりするんですよね。

また、保守的なアメリカ人だから「ニ○ロ」とか「タ○ス野郎」とか平気で言っちゃうんだけど後で訂正したりして時代についていかなきゃな感もちゃんと持ってるんです。

このへん、世の高齢者のみなさんも見倣うといいポイントじゃないかなあ。もちろん自分もね。

また、冒頭で花の品評会に出席するアールが、廊下にいた数人のご婦人たちにや?階をまちがえてないかい?美人コンテストは違う階だよ。」って声をかけるシーンがあるんですが(ご婦人方、みんな嬉しそう)、これに象徴されるように基本的にアールのシャレは洒落てるんですよ!

人生を楽しんでいるんですね。自分がやるのはかなり難しいけど、こういう精神を持っているといいだろうなあ〜。

 

派手さはないけど、心にじわじわ染み入るとても良い映画でした。

(後で、娘役がイーストウッドの本当の娘、と知ってあのリアルな演技に納得!)

▼公式サイト

wwws.warnerbros.co.jp

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